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alpha300 Semiconductor Edition

半導体業界向け、大面積ウェハ検査用

alpha300 Semiconductor Editionは、半導体材料のケミカルイメージングに特化したハイエンド共焦点ラマン顕微鏡です。半導体サンプルやウェハの結晶品質、歪みおよびドーピングの特性評価をより速く行うために最適です。

このシステムに装備されている試料ステージは、最大12インチ(300 mm)までのウェハの検査や大面積ラマンイメージの取得が可能です。アクティブ除振とフォーカス・ポイント自動補正機能が搭載されており、大面積測定や長時間測定時に起こる形状変化を補正しながら測定できます。本システムすべての部分が完全に自動化されており、遠隔操作も可能です。


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alpha300 Semiconductor Editionカタログ(日本語版)

主な特長

  • 高速・高感度・高分解能を同時に実現する、業界最先端の共焦点ラマン顕微鏡
  • 高いシグナル感度とスペクトル分解能を実現する、波長ごとに最適化された分光器
  • ウェハ検査に対応した大面積スキャン(300 x 350 mm)
  • 大面積測定のためのフォーカス・ポイント自動補正機能(TrueSurface
  • アクティブ除振機能
  • 遠隔操作や繰り返し測定ワークフローに対応する豊富な自動化機能
  • 先進的なデータ後処理用ソフトウェア
グラフェンにおける欠陥のラマンイメージ
CVD成長させたグラフェンの高分解能ラマン画像。炭素格子内の欠陥密度に応じて、Dバンド強度により色分けされている。

大面積ウェハ検査

半導体産業にとって、ウェハの品質をモニターすることは極めて重要です。材料の均一性を確認して歪みや不均一なドーピング領域を明らかにするためには、ウェハの全域を調査する必要があります。

この例では、150 mm(6インチ)のSiC(炭化ケイ素, シリコンカーバイド)ウェハの表面全体を、532 nm励起レーザーを用いてラマン顕微鏡で画像化しました。分析の結果、ドーピング濃度が領域全体で均一でないことがわかりました。顕微鏡の高感度UHTS 600分光器は、0.01 cm-1以下のピークシフトを検出できるため、ウェハ内の応力場が明確になりました。

ウェハ全体の鮮明なラマン画像を取得するには、焦点を表面に合わせ続けることが重要です。TrueSurface は、ラマンデータと同時にウェハのトポグラフィ(形状情報)を記録し、高さによるばらつきを補正します。

さらに、エピタキシャル成長させたSiCウェハのデプス(深さ)スキャンを記録し、異なる層の分布を可視化しました。

サンプル提供:Fraunhofer Institute for Integrated Systems and Device Technology IISB(ドイツ、エルランゲン)

6 インチ SiC ウェハ全体のラマンイメージ
150 mm SiC ウェハの共焦点ラマンイメージ。TrueComponent Analysis により、主にドーピングに敏感な A1 ピーク (約 990 cm -1 ) に違いがみられる、 2 つのスペクトルが特定された。この画像では、ウェハ内の大半を占める領域 (赤) とは異なるドーピング濃度となる、楕円形の領域 (青) が示されている。
150 mm SiC ウェハにおいて特定されたラマンスペクトル
TrueComponent Analysis により特定された、150 mm SiC ウェハにおける2つの成分のラマンスペクトル。
エピタキシャル成長させたSiCウェハのラマン深さスキャン
エピタキシャル成長させたSiCウェハのラマン深さスキャン。ウェハ基板(緑)とエピタキシャル層(赤)の間に薄い界面層(青)が観察されている。
6 インチ SiC ウェハ全体のラマンイメージ
150 mm SiCウェハの共焦点ラマン画像。応力に敏感なE2ピーク(776 cm-1)の位置を色分けしている。この画像から、応力に起因すると思われる微小なピークのシフトが、ウェハの中心から端に向かって生じていることがわかる。
6 インチ SiC ウェハのトポグラフィ(形状像)
150 mm SiC ウェハのトポグラフィ(形状像)で、最大40 μmの高さのばらつきが見られる。

仕様

  • 研究グレードのalpha 300ラマン顕微鏡
  • 白色照明によるサンプルオーバービュー
  • 300 x 350 mmスキャニングステージ
  • ウェハチャック、オプションで真空ポンプを装備
  • フォーカス・ポイント自動補正およびトポグラフィックラマンイメージングのためのTrueSurface
  • アクティブ除振機能
  • AutoBeam Technologyにより顕微鏡を完全自動化
  • さまざまなレーザー波長に対応
  • 熱電冷却式CCDカメラ搭載の、励起波長に最適化された高感度on-axis UHTS分光器
  • 最新のWITecソフトウェアによるデータ取得およびデータ処理
  • 繰り返し測定に適したシーケンス機能
  • LabVIEW、Python、C#などのプログラミングツールで個別の測定手順を設計・制御するDCOMインターフェース
alpha300 Semiconductor Edition – ウェハ検査に対応した共焦点ラマンイメージング顕微鏡
alpha300 Semiconductor Edition – ウェハ検査に対応した共焦点ラマンイメージング顕微鏡

半導体研究における
ラマンイメージングの利点

共焦点ラマンイメージングは、シリコン (Si) や炭化ケイ素 (SiC)、窒化ガリウム (GaN)、ガリウムヒ素 (GaAs) などの従来型材料だけでなく、グラフェンやペロブスカイト、二硫化モリブデン(MoS2)、二セレン化タングステン(WSe2)、その他の遷移金属のダイカルコゲナイド(TMD)やヘテロ構造といった、新しい2次元材料に関する詳細かつ空間分解された化学情報を非破壊で取得できるため、半導体産業における研究や品質管理のための強力なツールとなっています。ラマンイメージは、結晶性や歪み、応力、ドーピングなどの材料特性だけでなく、さまざまな材料の空間分布を可視化します。デプス(深さ)スキャンは、基板上の材料分布の調査や界面層の特性評価に使用され、3Dラマンイメージを生成して、サンプル内の含有物を描写することができます。

トポグラフィック
ラマンイメージング

微細構造シリコンのトポグラフィックラマン画像
蛍光不純物(ピンク)を含む微細構造シリコン(青)のトポグラフィックラマン画像。TrueSurfaceテクノロジーにより、化学情報と形状情報を同時に記録して重ね合わせた。高さの変動は最大9 µm。

2次元 (2D) 材料の分析

WSe<sub>2</sub>の明視野像
WSe<sub>2</sub>のラマン画像
WSe<sub>2</sub>のフォトルミネッセンス画像
WSe2 フレークの特性評価。A:明視野像。B:高解像度ラマン画像(約17 分で102,400 のスペクトルを取得)で、単層(赤)、二層(緑)、および多層(青)の領域が識別されている。C:フォトルミネッセンス画像では、粒界が観察されている (白い矢印)。
MoS<sub>2</sub>のらマンスペクトル
Si/SiO2 基板上にCVD成長させた単層MoS2 の、代表的なラマンスペクトル。
MoS<sub>2</sub>のラマン画像
単層MoS2のラマン画像。ラマンE2gバンドのシフトを色分けし、歪みとドーピングの領域を可視化している。

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その他アプリケーション

材料科学ナノカーボン,グラフェン半導体&太陽電池